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田中 泰貴*; 成清 義博*; 森田 浩介*; 藤田 訓裕*; 加治 大哉*; 森本 幸司*; 山木 さやか*; 若林 泰生*; 田中 謙伍*; 武山 美麗*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 87(1), p.014201_1 - 014201_9, 2018/01
被引用回数:18 パーセンタイル:74.14(Physics, Multidisciplinary)ガス充填型反跳生成核分離装置GARISを用いてCa + Pb, Ti + Pb, Ca + Cm反応系における準弾性散乱断面積の励起関数を測定した。これらのデータから融合障壁分布を導出し、チャンネル結合計算と比較した。Ca + Pb及びTi + Pb反応の障壁分布のピークエネルギーはそれらの反応系における2中性子蒸発断面積のピークエネルギーと良く一致し、一方Ca + Cm反応の障壁分布のピークエネルギーは4中性子蒸発断面積のピークエネルギーより少し下に現れることが判った。この結果は超重核合成の際の最適ビームエネルギーの予測に役立つ情報を与える。
市川 隆敏; 岩本 昭
Physical Review C, 71(6), p.067601_1 - 067601_4, 2005/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Nuclear)コールドフュージョン反応の入口チャネルでの電荷分極が原因で生じるクーロン障壁の高さの減少を見積もった。超重核合成のための重イオン反応では入射核と標的核の陽子数の増加とともにクーロン反発力が大きくなるので、電荷分極が生じると考えられる。生じた電荷分極は衝突間のクーロン相互作用エネルギーを減少させる一方、標的核と入射核の自己エネルギーは対称エネルギーの増加のために増加する。われわれは生じる電荷の変位は表面と体積電荷成分の和と仮定して、自己エネルギーはDropletモデルを用いて電荷分極の大きさを見積もった。本論文中で軽い核と重い核の電荷分極の違いと、超重核合成に関するクーロン障壁の高さの減少を見積もる。
市川 隆敏; 岩本 昭; Mller, P.*; Sierk, A. J.*
Physical Review C, 71(4), p.044608_1 - 044608_11, 2005/04
被引用回数:42 パーセンタイル:89.8(Physics, Nuclear)超重元素合成の重イオン核反応における入射チャネルでのコールドフュージョン反応の有効融合障壁を見積もった。有効融合障壁は入射核の零点振動が考慮されており、入射核の変形に関して系が不安定になるエネルギーと定義される。われわれはまた合成された複合核に関する5次元のポテンシャルエネルギー面の計算を行った。重い系では接触までの融合障壁が融合核の基底状態に至るまでに越えなければならない分裂障壁よりも低くなる。この障壁の高さの関係が変わる近傍において、蒸発残留核の合成に関する最適な入射エネルギーは接触までの融合障壁,複合系での分裂障壁、そして1個もしくは2個の中性子分離エネルギーに依存する。得られた結果は入射核が二重魔法核の反応を除いて観測された蒸発残留核の最適エネルギーと一致した。
岩本 昭; 市川 隆敏; Mller, P.*; Sierk, A. J.*
Nuclear Physics A, 738, p.499 - 502, 2004/06
被引用回数:4 パーセンタイル:30.85(Physics, Nuclear)超重領域核の合成を重イオン反応で行う場合の理論的考察を行った。まず2核が融合した後の1体場のポテンシャル計算を5次元のパラメター空間で巨視的・微視的模型を用いて行い、そこでいわゆる冷たい核融合(鉛標的の核融合)に対応する深い谷筋の経路の存在を確認した。次に2核が融合直前に、入射核が標的核との相互作用によりその変形に対する不安定性を生じる配位を計算して、この変形が2核の融合を先導するとの仮定での核融合障壁を計算した。その結果、融合前と融合後の配位の構造の特徴により、冷たい核融合反応が優位に生じることを定性的に説明できることを示した。